アグラオネマ・カーティシーと似た品種について

アグラオネマ本舗ご利用の皆々様、毎度お世話になっております。

有難い事に連日お問い合わせを頂きます。

この植物を探してほしい、育て方について、在庫の有無等々、皆様から頂く内容は様々でございますが、ここ最近アグラオネマ種の同定を度々お問い合わせ頂きます。

その中でもカーティシーは多く、中には本種と非常によく似た品種がございまして、その種について少し書かせて頂きます。

まずはこちらの葉です。

 

 

こちら一見葉だけ見ると完全にカーティシーの葉紋様ですがカーティシーではなく、リリアンという品種のアグラオネマです。

この品種未だ新しく、作出されて15年程でしょうか。タイにて作られた品種で、画像の個体は当方が同時期にタイにて入手した個体となります。

現在では緑系は人気がないため数を減らしましたが、よく増えるためタイではカーティシーよりも圧倒的に数が多いです。

カーティシーは昭和40年頃、ハワイから国内に入ってきた品種でしてその歴史は古く、マレーシア原産アグラオネマ・オブロンギフォリウムの変種という情報が最も有力です。

オブロンギフォリウムよりもカーティシーは大型になり、本来長年育てると茎も葉も大きく成長するのが特徴です。

対してリリアンは比較的小ぶりな中型種で、葉は細長く、葉柄がサムレモの様に長いのが特徴です。

こちらアグラオネマ・シルバークイーンとリリアンを並べました。

因みにアメリカのフロリダで作出されたシルバークイーン。作出者の銘々ではシルバークイーンとされ、国内に導入されてますが、日本では本種をシルバーキングとして呼ばれる事が多いです。

しかしながら両種は同じで、これはシルバークイーンをシルバーキングとして国内で呼ばれた事が原因の誤記です。

話を戻しまして、このリリアンはシルバークイーンの葉展開に非常によく似ております。

葉の大きさや、形状もそっくりです。

リリアンは将来的にシルバークイーンの葉姿に非常に近くなります。

細長く、優しいイメージです。

シルバークイーン

リリアン

子吹き位置も似ており、ランナーの様に伸びて地面から出る場合もございますが、ある程度のサイズ個体では茎から複数出ます。

こちらもカーティシーにはあまり見られない本種の特徴です。

映画レオンでは本種の葉姿と非常に近いシーンが複数ございますが、作出時期が本編上映よりも大分後であること、また葉柄の出方がカーティシーは直立するように出て劇中のそれも同じように上向きに、そして葉の出る位置が比較的平行して展開するのに対し、リリアンは放射状に葉柄が伸びます。

こちらサムレモも同様です。

 

 

 

 

 

本種の栽培は容易で、葉姿、紋様共に整い易く、また成長速度も速いので楽しめます。

カーティシーよりも子吹きが断然いいので、茎から出た子はある程度のサイズになると切り離して植え込みます。

そのままシルバークイーンの様に繁茂させて栽培するのもボリュームあって良いです。

個人的には、以前日記にて紹介させて頂いたタイ由来のカーティシーに似たアグラオネマ交雑種よりも好きな品種です。

まとまり易く、作り込みやすい品種です。

幼苗の頃はシルバークイーンとカーティシーも似ていて、高さ10cmを超えてある程度の葉が出るまでは本当に見分けが難しい事があります。

カーティシーも育て方によっては葉柄が伸びて長くなったり、葉が細長くもなります。

4号サイズ程度にまで成長すれば見分けが容易になってきます。

かなりマニアック過ぎる内容となりましたが、ご参考頂けますと幸いです。

次回は切り戻し、植え替え、増やし方等書かせて頂きます。

どうぞお楽しみに!!