アグラオネマの入門種~上級種 ランキング

皆さまこんばんは。

アグラオネマ種別難易度について、今回は書かせて頂きます。

画像がなく、かなり殺風景ではございますが、お許し下さい。

まず、①初めてアグラオネマを栽培される方におススメな品種3つ

    ≪ホワイトステム、ブリリアント、ゴールデンサンズ≫の3種

次に、②アグラオネマ栽培の経験が最低半年以上ある方におススメな品種3つ
    ≪ピクツム・トリカラー、モデスツム・バリエガータ、コスタツム系全種≫

最後に、③若干癖があり、性質自体弱いため作り込むのに時間がかかる上級向け品種3つ
    ≪ロツンダム(特にレッドライン種)、パロットジャングル、赤系アグラ≫

以上が個人的に今まで栽培してきた経験から選ばせて頂いた品種です。

因みに載せていないカーティシーは①と②の間。中間というよりはかなり①寄りです。

勿論栽培経験なしの方でもどんどん色んな種に挑戦頂きたいですし、上記記載のものはあくまで目安であって、初めての方には栽培が困難といった様な決められたものではございません。

私も初めから色んな品種を栽培しましたが、失敗の中から得られたものが大きく、挑戦頂くことが最も重要です。
枯らさないように試行錯誤頂き、そこから少しずつ栽培のコツ、楽しさを掴んでいきます。

①で書かせて頂きました3種は本当に強健で、しかも葉姿が崩れにくいです。
中でもブリリアントは特にオススメで、乾燥、寒さにも強く、葉姿も非常に整い易い素晴らしい品種です。

注意:あまりに過酷な環境、例えば冬場でも野外栽培等はどのアグラオネマでも×です。
    元々熱帯の植物ですから、そこは労わってあげてください。

次はゴールデンサンズ、ホワイトステムと続きます。

ゴールデンサンズも乾燥に強いですね~

少しサボっても回復不能になることはございません。葉がしっかりして厚いのと、根が丈夫なのでしょうね。
色も他のアグラオネマには見られない、黄色の独特なものですし、もっと有名になっても良いと思います。個人的にかなり薦めたい品種です。
これも結構レアなのです。流通しませんから

作り込むとド迫力ですよ!

最後にホワイトステム。こちらはカーティシーよりも若干耐寒性が強いかなということと、葉の傷みがカーティシーと比較して少ない印象です。

カーティシーのホワイトバージョンで美しいのはお墨付きですが、成長しますと茎が伸びて間延びします。その都度切り戻し、仕立て直しを行うと再び本来の美しさを取り戻します。

②の3種はどれも同じ印象です。

人気種のトリカラーに関しましては、高温時に起きやすい軟腐病のみ注意が必要です。

価格が高価なものが多い=栽培が難しそう。初心者で枯らさないか心配と思われる方もおられるかと思います。

しかし栽培は簡単ですのでご安心ください。

モデスツム・バリエガータとコスタツム種は成長が若干ピクツム・トリカラーよりも遅いかなという印象です。調子を崩すと回復も遅いです。

トリカラーは水槽内で湿度、温度をある程度保ってやればぐんと成長しますし、早いです。

②の3種は大きくなるにつれ扱いが難しくなる傾向ありです。

トリカラーに関しては、大きくなればなるほど葉の展開速度、葉姿の崩れが顕著に表れます。
※大きいサイズとは約高さ25cm程度を越したもの。これはトリカラーに関してのみ

元々小型種なので、これくらいで大きな株といえます。この位のサイズ株になりますと新芽の成長速度が極端に遅くなり、また花芽が出て葉が小さくなります。

茎も長く間延びします。

よってその都度切り戻しを行い、株の若返りを促します。

汚い葉姿だなと思ったら即座に植え替えか、茎が間延びしていれば切り戻しを行う方が断然成績良くなります。

但しどのアグラオネマでも、切り戻しや植え替えの際は温度をなるべく高く(20度以上理想)保って下さい。

25度~28度が理想です。湿度は当方ではあまり気を遣っておりませんが、大体60%~70%が平均です。

あまりにも湿度を上げ、その状態を維持、栽培すると、発送時に萎れてしまいますので、そこら辺葉を強くする意味合いもあり、当方では少し下げます。

③つ目の気難しい種ですが、こちらは性質が元々弱いというものです。

赤系(タイで作出されている、葉が赤く染まるものを総称したもの)に関しては、栽培が難しいというよりも、この系統の魅力である、発色を国内の環境下で出すのが困難という意味合いで入れさせて頂きました。

年中高い、安定した温度と光量、そして湿度、用土配合。これら条件が揃ってあの美しい色合いが出ます。

ただ単純に維持するだけなら簡単ですが、葉の色は真緑になり、鑑賞ポイントがどこか分らなくなります笑

そういった意味で、赤系を扱うのは結構難易度高いと思います。

ロツンダムはレッドラインタイプ同様葉が腐りやすいです。こちらは水槽内で栽培して上手く栽培されている方も大勢おられますが、一方で突然腐る、新芽が小さくなり腐った等障害をよく耳にします。

こちら、以前は葉が元々弱い品種なのだと思っておりましたが、完全根ですね。

葉も確かに弱いのですが、根にダメージを受けると、他のアグラオネマと比較してその影響がより強く出る品種です。

どのアグラオネマでも、根が命です。

葉がイキイキしているもの、状態がいいものは必ず根の状態良好です。

ロツンダム種に関しては、葉よりも根を育てるイメージです。少しマニアックですが…笑

赤玉のできれば中粒を主体に、燻炭や腐葉土、軽石等を混ぜた排水性の良いものが好ましいです。

排水性がポイントです。小粒、大粒はあまりオススメできません。

小粒は粒が崩れ、固まりやすく、結果排水性が損なわれます。大粒は粒がデカすぎで排水性が良くなり過ぎ、結果乾燥しやすくなります。

排水性の良いもので、さらに肥料持ちの良いものを使用します。

トリカラー、メタリカにもおすすめです。

パロットジャングルは一旦調子を崩すと直ぐに分かります。

葉は比較的大きく、厚みもあるのに弱いです。

当方で一番管理に気を遣う品種であり、多数の良株提供は難しいです。

根の性質がピンクステムに似ていて、両方気難しいアグラです。

ピンクステムは木質化すれば強いですが、それ以前の苗では弱いです。両種ともに寒さに弱く、15度以上は欲しいです。

以上が大まかな栽培難易度順となります。

最後に、よくお問合せ頂く、旅行などの長期留守にする際の水やりに関しまして

こちらは腰水にする、出かける前にたっぷり灌水する、給水器を付けるなどなど色々方法ございますが、個人的にはミズゴケがオススメですよ。

ミズゴケとはコケ植物の1種で、よくホームセンターなどで乾燥ミズゴケという、本植物を乾燥させたものがパックにされて売られています。

このミズゴケも最近では太くて連なっている良質なものは中々手に入りません。

特にラン愛好家の方々にとって高品質ミズゴケは必要不可欠な素材ですが、アグラオネマの乾燥対策で使用とのことでしたら良質ミズゴケは必要ございません。

どこでも購入可能な輸入ミズゴケで十分です。

ミズゴケ自体は購入時乾燥しておりますので、適量を摘まんで水を張ったバケツの中に数時間浸けます。

こちらかなり浸けてください。数分で濡れて柔らかくなりますが、更にじっくり浸け、浸透させます。浸透が甘いと乾燥速度が速く、あまり意味がございません。

たっぷり水を吸わせたミズゴケを用土の上へ隙間なく置いて頂き、ミズゴケの上を蓋するようにラップするだけです。

夏場は用土表面からの水分蒸散が激しいため、これでかなり防げます。

鉢数が少ない場合、また枯らしたくない希少な植物には念を入れて上記の作業を施した後、鉢と植物全体をビニールで覆います。

夏場(気温が高い時期)にこれを行う際には決して中が高温にならない場所、例えば直射が当たったり、カーテン越しなどの温度が高くなる場所は避けて頂きます。

ビニール内が高温になり、最悪枯れますので置き場所には注意します。

ミズゴケは色々使える材料ですので、ストックしておくのがオススメです。

あまり馴染みのない方でも一度お試しくださいませ。

それとミズゴケに肥料は微量でしか含まれておりません。

これ単体でアグラオネマを栽培することはできません。

厳密に言えばできなくはないですが、やがてヒョロヒョロになり、本来の美しさを失います。

養生や、取り木といった一時的な作業で使用するのが基本です。

用土として使用する場合は他の用土と混ぜます。

そのままで混ぜると水はけが悪くなったり、またミズゴケも1年ほどで腐ってきます。そのため細かく刻んだものを用土に含ませてやりますと、保水性、排水性が高められ、非常に良い用土に仕上げることが可能です。

ミズゴケ単体で栽培可能な植物は、ランや食虫植物といった、あまり肥料分を必要としない植物に有効なのです。

特に食虫植物は根から栄養を効率よく吸収するのではなく、足りない栄養を捕虫葉から吸収し、進化した植物です。

よって根周りに、栄養豊富な土壌をあまり必要としない(というより元々彼らの生息地の土壌が肥料分に乏しかったため、他で補う方法を考える必要がありました)ため、肥料分を殆ど含まないミズゴケが使用できます。

逆に彼らに肥料たっぷりの用土で栽培すれば枯れます。

この様に、その植物、栽培者の栽培環境に合ったものを使用、発見することが最も植物をイキイキさせる近道です。